【音ズレ問題】GeForceとPremiereProは相性が悪いという問題

こんにちは。ひじきぼーいです。

今日はNvidia GeForce Experienceと、Adobe社が提供している編集ソフト”PremierePro”は相性があまり良くないのでは?という技術的な話をしていこうと思います。

というのも、GeForce Experienceで撮影した映像データをPremierePro内に読み込んで「いざ編集!」となった際に、このような事案に遭遇した事はありませんか?

 

「映像と音声が盛大にズレとる」

 

そう、「音ズレ問題」です。

筆者は主にゲームプレイ映像の編集をすることが多く、撮影ソフトとしてPCへの負荷が非常に少ない「GeForce Experience」を使用しています。使い勝手も良く重宝しているのですが、1時間超えともなる長尺の映像をPremiereProに取り込んだ際、稀に音ズレが起きてしまいます。

音ズレとは言っても一定なものではなく、映像の終盤に近づけば近づくほど音ズレが酷くなる(顕著になる)というもの。

PremiereProタイムライン上で映像と音声をうまく合わせただけでは解決しないという点が非常に厄介。

これには原因がありまして….。

GeForce Experienceで出来上がるデータは「可変フレームレート」

筆者も良く使うGeForce Experience。撮影して出来上がるデータは「可変フレームレート」(=VFR)という方式で記録されています。

まずは可変フレームレートで撮影されたこちらの映像をご覧ください。

一見、前半部分は音ズレをしていないように見えますが、実際には僅かにズレています。
後半になるとそのズレが蓄積していき、音ズレがどんどん大きくなっていきます。

PremierePro内のプロパティで確認しても「可変フレームレート」が検出されているのが分かります。

可変フレームレートはランダムな間隔で映像を描写するため、記録が進むにつれて大きなズレが生じてしまうのです。これが動画編集の際に発生する「音ズレ」の主な要因。

ならばフレームレートを変更せず、一定のレートで録画すれば音ズレが起こらないのでは?と思う方もおられるかもしれません。
まさにその通りで、一定のレートで録画をする「固定フレームレート(CFR)」という形式もあります。この、CFRでは音ズレが起こりません。
そう聞くと録画は全てCFRで良いと思ってしまうところですが、VFRとCFRの違いを確認してみましょう。

可変フレームレートと固定フレームレートの違い

  可変フレームレート(VFR) 固定フレームレート(CFR)
特徴 画面の動きが激しい部分は一時的にフレームレートを上げて、画面の動きが穏やかな部分に一時的にフレームレートを下げる 動画内容を問わずに、連続している画像を同じ速度で記録する
ファイルサイズ 小さい 大きい
滑らかさ(フレームレートの安定性) カクカク(不安定) 滑らか(一定)
動画編集に向いているか 音ズレが発生しやすく、不向き 向いている

※VFRの方がファイルサイズは小さくできるため、GeForce Experienceのみならず多くのスマホは可変フレームレートでの記録が採用されています。

※イメージです

このように、可変フレームレートの映像はバラバラなフレームレートでの記録になる為、音ズレが起きやすく映像編集には非常に不向きです。PremiereProはこれに対応するべく2018年1月ごろに可変フレームレートに対応したアップデートを行ったものの、一部環境や記録方法によっては上記の動画のような音ズレが起きてしまいます。

  1. プロジェクトウィンドウから該当の映像をダブルクリックしてソースに表示
  2. 「エフェクトコントロール」に切り替える
  3. MPEGソース設定から「オーディオ同期を保持」を選択する

本来であればこれで解決するためのアップデートみたいですが、解決しない場合は次の方法で解消することができます。

VFR映像をCFRに変換しよう!「HandBrake」

HandBrakeとは、簡単に動画ファイルの各種変換・エンコードをすることができるフリーソフトです。
HandBrakeを使って動画ファイルをVFRからCFRに変換することで、PremiereProで音ズレしないようにできます。

まずは、HandBrakeの公式HPに行ってお使いのデバイスに合わせたバージョンをダウンロード&インストールしましょう。

1.インストールが完了したらソフトを起動させます

2.変換したい動画をドラッグ&ドロップで追加

3.概要タブの動画形式を[MP4]にして、保存先を任意の場所に設定

4.続いて映像タブの設定を行います

オススメ設定
映像コーデック:H.264(x264)
フレームレート:same as source 固定フレームレート
クオリティ:任意(22~20RFか、平均ビットレート15,000kbpsがオススメ)

5.複数のトラックで録音・撮影している方は音声トラックにて「トラックの追加」から「残りのすべてのトラックを追加」を選択

読み込まれてないトラックが追加されます。この設定を忘れると再エンコードが必要なので要注意!

6.映像フィルターは特にいじらなくても問題ありませんが、インターレース解除*1をするなら、「Yadif・Decomb」のどちらかを選択

*1:インターレース解除についてはこちらの記事が参考になるのでご覧ください。

7.すべての設定が終わったらエンコード開始を押して、処理が完了まで待ちます

処理の終わった映像を再度PremiereProに取り込んでみると、無事に音ズレされてない綺麗なデータが取り込めたかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はHandBrakeを使ってVFRの映像をCFRに変換する方法を紹介しました。

音ズレは毎回なるわけでもないのが厄介ですが、もし取り込み時に音ズレしていたら是非この方法を試してみてください!

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